2025.06.28
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学校はなぜ「トレーナーになれる」と言うのか?グループ院との関係を解説

「スポーツに関われる仕事がしたい」
「将来はトレーナーとして活躍したい」

そんな想いで柔道整復師や鍼灸師を目指す方も少なくないでしょう。

専門学校の説明会でも「スポーツ選手のサポートができる」「トレーナー活動ができる」といった説明を受けた方も多いのではないでしょうか?

しかし、この業界では就職して「思っていたのと違う」と感じるケースが後を絶ちません。

その背景には、「学校」と「グループ院」の間の“補完関係”があります。

本記事では、そうした業界の構造や仕組みをわかりやすく解説し、「自分に合った職場選び」をするためのヒントをお伝えします。

この記事の監修者

株式会社じんじあいであ

代表取締役・塩田
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1986年生まれ。千葉市出身。3児の父。 2018年(株)じんじあいであ設立。 整骨院業界に採用という角度から貢献するため、教育・運営・店舗展開なども他面的にサポート。 人材供給だけでなくフォローアップ、院運営のコンサルティングも行う

なぜ学校は「スポーツに関われる」と伝えるのか

近年、柔道整復師や鍼灸師を育てる専門学校は定員割れや閉校が増えており、学生集めに苦戦しています。

そのため、多くの学校が「スポーツトレーナーとして活躍できる」「スポーツ選手を支える仕事ができる」といった夢のある言葉で学生の興味を引こうとしています。

これらのアピールは、学校と提携しているグループ院の求人内容をもとにしていることが多いのですが、実際に就職してみると仕事でスポーツに関われる現場はごく一部です。

整骨院のほとんどは地域の患者さんへの施術で成り立っているからです。

もちろんスポーツに関わる道がまったくないわけではありませんが、実際に携われる人はごく一部に限られるのが現状になっています。

グループ整骨院のトレーナー業務の実情

グループ院の多くは求人票に「トレーナー活動あり」と記載しています。

一見すると夢が広がりますが、実態は休日を使って外部の部活や試合に帯同するといったボランティア的な活動が中心です。

本来の業務はあくまで整骨院内での施術。

地域の患者さんへの対応や保険診療、自費治療が日々の仕事の中心となります。

つまり、「トレーナー活動」は就業時間内の主業務ではなく、あくまで“プラスアルファ”の位置づけなのです。

入社してからこのギャップに戸惑ってしまう若手治療家も多く、就職前に業界の仕組みや治療院にもいろいろなタイプを知っておくことが重要なのです。

学校とグループ院の「補完関係」

柔整・鍼灸系の専門学校とグループ院は、それぞれの目的を果たすために互いに都合の良い“補完関係”を築いています。

学校側は定員割れや学生離れが進むなか、「トレーナー活動ができる就職先がある」「スポーツに関われる仕事が待っている」といった言葉で学校に入学する学生を増やそうとします。

一方でグループ院は、「トレーナー帯同可能」「プロスポーツにも関われます」と求人票に記載することで、働き手となる若手治療家を多く確保することができます。

学校が開催する就職合同説明会に大手グループ院が並んでいるのもこのような関係があるからです。

治療院業界の合同説明会についてはこちらの記事でも解説しています。

こうした相互関係によって、学校は“夢を叶えられる進路先”を提示でき、グループ院は“やりがいのある現場”として見せられるため、双方にとって都合のよい関係が成り立っているのです。

しかし実際に就職してみると、トレーナー活動は就業時間外のボランティア的な取り組みであることが多く、日々の業務は地域の患者さんへの施術が中心です。

そのため、学生が「現場でスポーツの仕事ができると思っていたのに違った」と感じるギャップが起きやすくなります。

大切なのは、言葉だけにとらわれず「その職場で実際にどんな働き方になるのか」を見極める視点です。

スポーツに関わりたい人が就職・転職で見るべきポイント

基本的に、治療家として求められるのは「地域の患者さんに向き合える力」です。

これはトレーナー志望かどうかに関係なく、大手グループ院でも個人院でも、どの整骨院も同じです。

その上で仕事でスポーツに関わりたいなら、受け身にならず、自分の目で院をしっかり見て比べてください。

見るべきポイント

  1. どのチームや競技と関わっているか
  2. その活動が業務時間内に行われているか
  3. 新人スタッフでも関われる仕組みがあるか

特にこの3点は、見学や面接時にしっかり質問しておくことが大切です。

スポーツに関わる道がまったくないわけではありませんが、実際に携われる人はごく一部に限られるという現状を正しく理解して、自分で働く職場を見極める必要があるのです。

まとめ

今回は、治療院業界の仕組みとして「学校とグループ院の関係」を解説しました。

学校の合同説明会だけ就職先を選ぶと、その学校と繋がりのあるグループ院に就職することになるでしょう。

しかし、そこには今回説明したような背景や、学校とグループ院の補完関係があります。

「スポーツに関われる」という求人票の言葉を信じて就職したのに、実際にはボランティアとして関わるしかない現状に苦しむ先輩たちを数多く見てきました。

他の業界に比べて就職システムが遅れている治療院業界では、ピッタリな職場を見つけるのはとても難しいと思います。

後悔のないキャリアのためには、どのような治療家になりたいのか、どのような環境で働きたいのか、という自分の価値観を知ったうえで職場を選ぶことが大切です。

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