整骨院を辞めさせてもらえない…!退職時の正しい対処法
整骨院業界は、院によって働く環境や治療方法も多種多様です。
そのため、一度は就職したけど「自分に合わない」「このやり方に賛同できない」「働く環境を変えたい」と転職を考える人もいるでしょう。そこで直面するのが「退職」です。
「辞めたいです」「分かりました」で終われば良いのですが、以下のように退職が難しいケースも多くあります。
- ・働いている整骨院で辞職を申し出たら、強く反対された
- ・すぐにでも辞めたいのに「辞めるなら◯ヶ月前に言ってくれ」と言われた
この記事では、このような方に向けて整骨院が退職を嫌がる理由から、辞めるための正しい対処法、やっておくべき準備などを解説していきます。
1986年生まれ。千葉市出身。3児の父。 2018年(株)じんじあいであ設立。 整骨院業界に採用という角度から貢献するため、教育・運営・店舗展開なども他面的にサポート。 人材供給だけでなくフォローアップ、院運営のコンサルティングも行う
治療家なしでは儲からない整骨院のシステム
整骨院ビジネスは「労働集約型」と呼ばれ、患者に対して1対1のサービスを行うことで利益を得ています。
つまり、整骨院は基本的に治療家の人数がいればいるほど稼ぐことができ、反対に治療家が居なくなると稼ぐことができないビジネスモデルなのです。
これを考えると、あなたが整骨院を辞めさせてもらえない理由は明らかですよね。
人が減ると治療が回らない、次の人材を探してから辞めてくれ、辞めたいなら◯ヶ月前に言ってくれなどと言われるのは、整骨院は人が居なくなると稼げなくなるビジネスだからなのです。
整骨院のビジネスモデルに関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
労働基準法では原則2週間で辞められる
退職を伝えた時によく言われる「辞めるなら◯ヶ月前に言ってくれ」という言葉。
確かに整骨院の経営を考えるとそう言いたくなるかもしれませんが、働く側がしっかり守る義務があるかというとそうではありません。
実際に、労働基準法には以下の文言があります。
正社員などのように、あらかじめ契約期間が定められていないときは、労働者は少なく とも2週間前までに退職届を提出するなど退職の申し出をすれば、法律上はいつでも辞めることができます(会社の就業規則に退職手続きが定められている場合はそれに従って 退職の申し出をする必要があります)。
ー引用:厚生労働省
このように、2週間前までに申し出をすれば法律上問題ないのです。
(契約期間が定められている契約社員であったり、会社の就業規則に記載があったりすると条件が異なる場合もあります)
退職をしたい場合は、辞める側もこのような知識をしっかり身につけて冷静に会社側との交渉を進めていくことが重要です。
辞めさせてもらえない時の正しい対処法
「辞めさせてもらえない」という状況は、会社と働き手の関係としてそもそも健全ではありません。
辞めるか悩んでいる治療家を引き止めたり説得しているならまだしも、「辞めたい」という意思が決まっている治療家が状況的に辞められないというのは大きな問題なのです。
このような時の正しい対処法は「自分から動くこと」です。
先ほども話したように、整骨院は治療家がいないと儲けられない・治療ができないビジネスモデルです。そのため自分から積極的に動かなければ、「本部に確認するから」といつまでも返事を待たされたり、昇給や休日などの働く条件を提示してなんとか引き止めてくるケースもあります。
- ・担当している患者さんのこと
- ・来月すでに入っている予約のこと
- ・昇給するから残ってくれないか
- ・時短勤務にするから働いてくれないか
- ・酷い時は暴言や人格否定をされることも…
実際にこれまで転職支援をした方の中には、このような理由で退職を引き止められたケースがありました。
あなたの「ここを辞めよう」という気持ちが決まったなら、退職のための準備を着々と進めて自ら積極的に動きましょう。いつまでも相手の返事を待っていては、いつ退職できるか分かりません。ただが数ヶ月かもしれませんが、あなたの時間がもったいないです!
次は、整骨院を辞める時の具体的な準備を紹介します。
整骨院を辞めたい!必ずやっておくべき準備
「辞めたい!」という気持ちが決まったら、以下の3ステップで話を進めましょう。
- 就業規則に目を通す
- 辞めたい理由や時期をまとめる
- 録音して社長(上司)と話す
1.就業規則に目を通す
まず始めに自分の状況を整理するために「就業規則」に目を通してください。
おそらく入社時に渡された書類の中に「就業規則」があるはずなので、まずはその書類を探してください。ここに退職に関する項目があるかどうか、ある場合は退職する際に何ヶ月前に申し出なければいけないか?が明記されているはずです。
ただし、小規模な整骨院では就業規則を作っていない場合もあるため、その場合は労働基準法に記載がある「2週間前」までに退職を申し出るという理解で問題ないでしょう。
2.辞めたい理由や時期をまとめる
次に、辞めたい理由や時期などをまとめておきましょう。
事前に自分の中で理由や時期をまとめておくことで、感情的になることなく伝えることができます。
辞めたい理由に関しては正直にストレートに不満を言う方法もありますが、社長やあなた自身の性格によっては、当たり障りなく自分のキャリアプランや目標などを嘘のない範囲で前向きな辞職理由を伝える方法もあります。
3.録音して社長(上司)と話す
最後に、実際に社長に伝えることになりますが、その時は必ず会話の内容を録音させてもらいましょう。
「すみません。大事な話があるのでお時間をいただきたいのですが、会話を録画させてください。」などと声をかけて、事前に考えておいた辞めたい理由や時期を伝えましょう。中には退職の旨を話したり院への不満を伝えたりすると感情的になる社長もいますが、録音していると分かれば変なことは言えません。
お互いに冷静になるためにも、自分を守るためにも、録音の許可をとってから退職の旨を話しましょう。
じんじあいであでは様々な治療家の転職支援をしており、これまで「辞められない」という若手治療家の相談も受けてきました。
今働いている整骨院の就業時間によっては仕事をしながらの転職活動は難しいかもしれませんが、じんじあいであでは休憩時間や夜でもLINE相談にも乗っています。
整骨院の退職や転職に悩んでいる方はお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、整骨院を退職したいときのトラブル対処法やトラブル回避のための準備を解説しました。
労働集約型ビジネスの整骨院では治療家の存在が収益に直接影響するため、退職を先延ばしにされたり、働く条件を改善して残ってもらおうとするケースがよくあります。
まずは法的な退職期間と自社の就業規則を確認し、辞めたい理由や時期を整理しておきましょう。実際に退職の意思を伝える時は必ず録音をすることで、あなた自身を守りつつ退職の話もスムーズに進められます。
いつまでの退職を引き止められていては、あなたの時間がもったいないです!
自ら積極的に準備をして退職に向けて動きましょう。