2024.08.17
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【売上=単価×人数×頻度】【単価】の話。

整骨院の業界には、院長や会社の方針によって様々なタイプがあります。

安い単価で来院回数を増やすところもあれば、自由診療により単価を高くするところもあります。

こうした見極めは【売上=単価×人数×頻度】を見れば、一目瞭然です。

この記事をおすすめしたい人

  • 現在の職場でミスマッチを感じている
  • 一度は業界を離れたが、また戻るか悩んでいる
  • 自分に合った整骨院を探したい

私はこれまで整骨院業界の求人だけを約15年間仕事にしてきましたが、誰よりもこの業界に精通しているという自信があります。

今回はそんな私が整骨院や治療の特徴が出やすい【単価】について解説していきます。

整骨院の平均客単価は?

まず、整骨院の売上は【単価×人数×頻度】で計算できます。

整骨院で働くあなたの給料は、この「売上」から出るため、なんとなくて良いので理解しておいてください。

整骨院の売上の計算方法

ここ5年で、整骨院の客単価はどんどん上がっています。

現在、ほとんどの整骨院は平均客単価が3000円くらい。

窓口負担金2000円+保険1000円くらいの価格帯が一般的です。

整骨院の平均客単価の変化

少し前までは、窓口負担金500円という金額で保険を使ってビジネスしている整骨院も多くありました。

そんな業界もここ5年で大きく変わり、窓口負担が2000円くらいの整骨院が多くなり、中には5000~7000円の単価をもらう完全自費の整骨院も増えてきました。

患者さんからすると、同じ整骨院なのに価格差があるのは不思議ですよね。

  • 500円の整骨院ではなく、2000円の整骨院を選んでもらう
  • 2000円の整骨院ではなく、5000円の整骨院を選んでもらう

このために、どのように価値を提供していくか?を整骨院ごとに工夫を凝らしています。

整骨院が提供する2種類の価値

整骨院の売上は【単価×人数×頻度】で決まります。

単価を上げることは、売上を上げるためにとても重要なのです。

一昔前は、一度の治療で4部位以上を請求できる時代がありました。

その頃は整骨院の客単価(価値)は500円ということも珍しくありません。

今は規制が強まり、最高で3部位までしか請求できない上に、3部位目は6割しか請求できません。

差し戻しのリスクも考えると、現代の整骨院が生き残るためには来院回数や人数だけを増やすだけでなく、単価そのものを上げる工夫も必要なのです。

整骨院が提供する価値には「効果提供」と「使役提供」の2種類があります。

整骨院が提供する2つの価値

  • 効果提供:痛みが取れたなどの効果を提供
  • 使役提供:マッサージ20分間など時間を提供

整骨院の価値①「効果提供」

効果提供とは、患者さんが感じている「痛み」「痺れ」を取り除くという効果を提供することです。

当然のように聞こえるかもしれませんが、これは整骨院が提供する価値の中の1つです。

整骨院によって、大きく2パターンのやり方があります。

1つ目は、その治療家にしかできない技術で効果を提供する方法。

目の前の患者さんの体を見て、触って、動かして、何が原因なのかを推理しながら施術していくやり方です。

解剖学的に痛みをとらえて鑑別して治療をするため、効果を提供するためには施術の技術や経験が必要になってきます。

2つ目は、痛みと治療をある程度パターン化し、仕組み化された施術で効果を提供する方法。

パターン化する方法さえ学べば、ベテランでも新人でも同じ効果を提供できます。

ハイボルテージ, EMS(高周波), 猫背矯正, トムソンベッドなどはこれにあたり、そこまで技術がなくても施術できるようになります。

整骨院の価値②「使役提供」

次に、使役提供です。

これは施術中に「20分マッサージしますね」というような形で、かけた時間に対する価値・料金をいただきます。

逆にいえば、痛みや痺れに対する効果はそこまで重要ではありません。

これを「保険を使ったマッサージ」と言う人もいます。

昔はこのスタイルも多かったのですが、近年リラクゼーション業界に多くの顧客が流れ、さらにデイサービスや訪問マッサージで同じようなサービスが増えています。

そのため、単価が低価格化してしまい、使役提供だけを行う整骨院の状況はどんどん厳しくなっています。

このブログでは、整骨院の人数や頻度に関するお話も解説しています。

興味のある方はこちらの記事もご覧ください。

加速する「整骨院離れ」の現状は?【売上=単価×人数×頻度】【人数】の話。

整骨院に患者が通う頻度は?【売上=単価×人数×頻度】【頻度】の話。

就職先におすすめしたい(したくない)整骨院の特徴

これから就職・転職する若手治療家には、以下のような整骨院を強くおすすめしたいです。

就職先におすすめしたい整骨院の特徴

  • 保険診療だけでなく自費診療も行っている
  • 治療家としての技術を身につけられる

まず「保険診療のみ」の整骨院はおすすめしません。

なぜなら、保険中心の整骨院は【単価】が圧倒的に安く、売上全体が上がりづらいためです。

売上が下がれば、給与が下がり、勤務時間が伸び、休日も減ります。

保険中心の整骨院はこのような負のスパイラルに陥りがちです。

こういった整骨院の求人も出ていますが、求人票からそこまで把握できないため、入社後に離職がおきやすいのです。

ただし、単価は低い一方で数多くの患者さんに関われるため、より多くの臨床経験を積みたい人には良い場合もあります。

また、技術ある治療家になりたいのなら「効果提供」をしている整骨院をおすすめします。

使役提供は前述したようにリラクゼーション業界に対抗するため低価格化するケースが多く、単価が低く、売上や給料もなかなか上がりません。

効果提供にも、その治療家にしかできない技術で効果を提供する方法と、痛みや治療を仕組み化して効果を提供する方法があります。

前者は技術を身につけるまでに時間と経験が必要ですが「あなたに治療してもらいたい」と言ってもらえる働き方です。後者は仕組みがあれば「あなた」である必要はないとも言えます。

あなたはどちらの治療家になりたいですか?

治療院業界での就職・転職を成功させるためには、まずあなたのなりたい治療家像に向き合う必要があります。

弊社では、若手治療化向けの適性検査を用意しています。

無料で受けられますので、ぜひ自分のなりたい治療家像に向き合ってみてください。

まとめ

今回は整骨院業界の【売上=単価×人数×頻度】の中でも【単価】について解説しました。

単価が高ければ良い治療院だとは言えませんが、売上を作る努力をしなければ整骨院の経営が厳しくなるのは明白です。

整骨院の売上は、あなたの給料に直結します。

ぜひこうした部分から整骨院のタイプを見極めて、自分の合った就職先を探してみてください。

弊社独自の視点で整骨院を4つに分類したポジショニングマップでは、整骨院のタイプや働き方の特徴を知ることができます。ぜひこちらもご覧ください。

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