整骨院を辞めたい!治療家の転職理由あるある6選

「せっかく治療家として就職したのに、思っていたのと違った…」
治療院業界は目の前の患者さんを治療するという、やりがいのある素晴らしい仕事です。
一方で、独特の業界構造や職場環境によって就職後に「辞めたい」と感じてしまう人も少なくありません。
そこで今回は、現場で実際によく挙がる治療家の転職理由あるある6選をご紹介します。
治療家の転職理由あるある6選
- 売上しか見ない自己中スタッフ
- 「患者さんのために」に違和感
- 先輩と同じ給料で昇給がない
- トレーナー業務の理想と現実
- 研修がない・治療が学べない
- 入社前と条件が違う
これから就職・転職を考えている方はもちろん、今の職場にモヤモヤを抱えている方にも役立つ内容です。
1986年生まれ。千葉市出身。3児の父。 2018年(株)じんじあいであ設立。 整骨院業界に採用という角度から貢献するため、教育・運営・店舗展開なども他面的にサポート。 人材供給だけでなくフォローアップ、院運営のコンサルティングも行う
理由1. 売上しか見ない自己中スタッフがいる

治療院業界には、基本的な給与に加えて「歩合制」を採用している院もあります。
歩合制は頑張りが給料に反映される仕組みですが、裏を返すと「自分の稼ぎを増やすために、患者さんよりも売上を優先したい」と考えるスタッフが生まれやすいのも事実。
売上しか見ないと起こりがちなこと
- 本当は必要のない施術やメニューを勧める
- 患者さんの状況よりも「いくら売れるか」を優先する
こうしたスタッフと一緒に働くことに違和感を覚え、転職を考える人が出てくるのです。
このような自体を防ぐためには、入社を検討する際に院の給与体系に「歩合制」が含まれているかを確認することが大切です。
歩合制は成果に応じて収入が上がるのでやりがいがある仕組みではありますが、その一方で過度に売上至上主義に傾きやすい特徴もあることを覚えておきましょう。
さらに、ノルマや売上目標が課されているか重要です。
数字に追われる環境は、人によって合う・合わないがあります。給与体系や評価制度が自分に合うのかをしっかり見極めましょう。
一番大切なのはバランスです。
「売上のため」という売上に傾きすぎると、治療の本質から離れてしまい患者さんや働き手の不満につながることもあります。
一方で「患者さんのため」という理念に傾きすぎて売上が伴わないと、あなたの給料や待遇はなかなか改善しないでしょう。
就職後のミスマッチをなくすためにも、自分が心地よいと思えるバランスを保っている院を探してみましょう。
また、良い職場やバランスを見極めるためには、治療院業界のビジネスモデル(治療院がどうやって稼いでいるか)を知っておくことも大切です。この機会に以下の記事もぜひ読んでみてください。
理由2. 「患者さんのために」に違和感を覚える

治療院業界では「患者さんのために」という言葉がよく使われます。
もちろん大切な考え方ですが、あまりに理念が強すぎると「みんな洗脳されているように感じる」という声が上がることも。
「患者さんのために」が良くない方向に働くケース
- 「患者さんのために」と言いながら、スタッフの働きやすさが軽視される
- 理念に共感できない人が居づらくなる
- 結果として「会社に合わない」と感じ、退職を選ぶ
理念は会社によって優先順位が違います。
「患者第一」か「スタッフ第一」か。どちらを大切にしているかで働きやすさは大きく変わります。
入社前の面接や見学の場では、表面的な説明だけでなく、その会社の理念に自分が納得できるかどうかを考えてみてください。
社員が日常的に理念を意識できているか、無理に言わされているのではなく理念に対して本心から共感して働いているのかが分かれば、その職場での働きやすさをより具体的にイメージできます。
理念に共感できる会社が見つかれば、きっとあなたはその院で長く働き続けられるはずです。
理由3. 先輩と同じ給料で昇給がない

「10年前に入社した先輩と給料が変わらない…」
これは治療家業界ではよくある転職理由のひとつです。
初任給では比較的高めの給与が設定されていることが多いですが、その後の昇給チャンスは少ないのが現実。
その一番の理由は、治療院業界は「労働集約型ビジネス」であり昇進ポストが限られているためです。
治療院業界で給与が上がりづらい理由
- 100人スタッフがいても、院長になれるのは20人程度
- 役職ポストが埋まってしまうと昇格できない
- 年功序列や定期昇給はほとんど存在しない
そのため、入社して10年経っても昇給や昇進の機会に恵まれず、給与面で不満を感じて転職する人が多くなります。
ただし、すべての治療院で給与が上がらないわけではありません。中にはスタッフの評価制度を整えて、給与に反映していこうとする治療院もあります。
そうした院を見つけるためには、会社のキャリアアップ制度を確認してみましょう。
役職や昇給の基準が明確であれば将来のキャリアを描きやすくなりますし、逆に曖昧な回答が返ってくる場合は成長や昇給の機会が限られてしまう可能性があります。
とはいえ、給与面だけを見て就職を決めるのも要注意。20代のうちに「無形資産」ともいえる治療技術・人脈・経験を積み重ねておくことも、長期的見ると大きな財産となります。
理由4. トレーナー業務の理想と現実

「スポーツに関われる」という言葉に惹かれて入社したのに、実際に入社してみたら休日返上で活動しているだけ…
こんなギャップに直面して辞める人もいます。
トレーナー業務はスポーツに関われてやりがいがありますが、現実は想像以上に厳しいことも。
トレーナー業務と言っても、こんなケースも…
- 休日やプライベートを削って活動する
- 若手時代は無報酬に近い条件で働くケースもある
- 思っていたようなチームや現場に関われないことも多い
このような理想と現実のギャップに耐えられず、モチベーションを失う人も少なくありません。
スポーツに関わる前提で入社を考える際は、実際にその職場でトレーナー業務に関わっている先輩がどのくらいいるのかを聞いてみると良いでしょう。先輩の数が多ければ、現場でのサポート体制や環境が整っている可能性があります。
あわせて、その活動が新人でも関われるのか、勤務時間の一部として行われているのか、休日を使ったボランティア的な活動なのかを確認することも大切です。
こうしたチェックポイントを事前に知っておくことで、入社後の関わり方が具体的にイメージできるようになります。
理由5. 研修がない・治療が学べない

求人には「治療が学べる」と書いてあったのに、実際には全然教えてくれない…。
そんな不満から転職を決意する人もいます。
研修や教育制度が整っていない治療院では「とりあえず現場に出て慣れろ」というスタイルも多く、入社後にスタッフが「教えてくれない」「技術を学べない」と感じることもあります。
一方で、「とりあえず現場に出て慣れろ」というスタイルにはメリットもあり、たくさんの臨床経験が積めるため成長スピードの速さを実感できるケースもあるのです。
入社を検討している院がある場合は、実際にその院で治療を体験してみることをおすすめします。そうすることで、まずは自分が求めるスキルのレベル感と職場の技術が合っているかを判断できます。
また、見学の際には院長や先輩に気軽に質問できる雰囲気があるかどうかも確認しましょう。
研修制度の有無だけで職場の良し悪しは決まりません。大切なのはあなたが学びやすい環境かどうかです。安心して質問できて、日々の臨床を通じて成長できる環境があれば、自然と技術は身についていくでしょう。
理由6. 入社前に聞いていた条件と違う

「面接で聞いていた条件と違った」という理由で辞めるケースも少なくありません。
給与、休日、勤務時間、引っ越し補助など、入社前に聞いていた条件に相違があると、その瞬間に不信感が生まれてしまいますよね。
仕事の基本は信頼関係です。この信頼関係が崩れてしまうと、長く働くのは難しくなってしまいます。
特に、友人や先輩に院を紹介された場合は、条件が曖昧なまま採用が決まるケースもあります。
就職先はあなたの人生を大きく左右します。
入社前には以下をしっかり確認しておきましょう。
入社前のチェックポイント
- 雇用契約書を必ず確認する
- 給与・年間休日・勤務時間を正確に理解する
- 曖昧な点は入社前に質問して明確にしておく
小さくても違和感を感じた場合は、放置せずにしっかりと確認しましょう。放置すると後々大きな不満につながります。
治療院業界での平均的な労働条件は、以下でも詳しく解説しています。
重要なのは「自分の価値観」に合う職場選び

治療家が転職を考える理由はさまざまですが、業界特有の仕組みや環境から生まれているケースも多いのです。
今回は治療家が転職を考える理由について、その背景をご紹介しました。
治療家の転職理由あるある6選
- 売上しか見ない自己中スタッフ
- 「患者さんのために」に違和感
- 先輩と同じ給料で昇給がない
- トレーナー業務の理想と現実
- 研修がない・治療が学べない
- 入社前と条件が違う
大切なのは、 自分の価値観と合う職場を選ぶこと。
給与体系、理念、キャリアアップ制度、学びの環境、そして雇用条件の理想を考えてみて、「自分はどんな治療家になりたいか」を考えてみましょう。