整骨院への就活で『就職ガイダンス』をおすすめしない3つの理由
これから整骨院業界への就活を控えている学生さんは、どのように就活していますか?
ネットやSNSで求人を探したり、先輩やバイト先から「うちに就職しない?」と声がかかっている人もいるかもしれませんが、この業界では『就職ガイダンス』も1つの方法です。
実は『就職ガイダンス』はたくさんの企業に会える一方で、とても偏った企業が集まっているという現実があります。
今回はこの業界の求人を15年間見てきた私が、就職ガイダンスの仕組みや裏側を解説していきます。
1986年生まれ。千葉市出身。3児の父。 2018年(株)じんじあいであ設立。 整骨院業界に採用という角度から貢献するため、教育・運営・店舗展開なども他面的にサポート。 人材供給だけでなくフォローアップ、院運営のコンサルティングも行う
【体験談】就職ガイダンスで感じた違和感とは
大野さんの体験談
自分で就活をする中で、学校に来るのは良くも悪くも大手の治療院だけでした。
名前を聞いたことがあるグループ院ばかりだったので、当時は「有名で従業員も多いし、早く就活も終わらせたいし、今目の前にいるグループ院への就職でも良いかな」という気持ちもありました。
でも、治療院見学ツアーに行ったことで、自分のやりたいことや働きたい環境に対してしっかり向き合って自分から動いて行こうと思いました。
じんじあいであさんの紹介から決めた就職先は、スタッフの人数が少ない個人院でたくさんの技術を学べています。
勉強会の数も多く治療方法も柔軟で、院長先生をはじめ先輩方からも色々な技術を学べたり、他の院の先生と関わる機会があるのも気に入っています。
就活で『就職ガイダンス』をおすすめしない3つの理由
私が若手治療家に対して就職ガイダンスをおすすめしないのは3つの理由があります。
就職ガイダンスをおすすめしない理由
- 就職ガイダンスへの出店にはお金がかかる
- 95%の整骨院は就職ガイダンスに参加していない
- 並んでいる企業の特徴が超偏っている
理由1. 就職ガイダンスへの出店にはお金がかかる
まず1つ目の理由は「就職ガイダンスへの出店にはお金がかかる」ということです。
これは就職ガイダンスの舞台裏なので学生の皆さんは知らないと思いますが、人材紹介会社が主催する就職ガイダンスへの出店には高額な出店料がかかります。
学校が就職ガイダンスを主催するケースもあるかと思いますが、こちらは出店料は無料のことが多いですが、実際には学校への寄付実績やコネがないと参加できないという現実があります。
つまり、整骨院側にある程度の資金力がなければ就職ガイダンスに参加できないということになります。
理由2. 95%の整骨院は就職ガイダンスに参加していない
2つ目の理由は「95%の整骨院は就職ガイダンスに参加していない」という点です。
人材紹介会社が主催する就職ガイダンスは、全国で年間10~20回ほど。ここにプラスして学校が独自で開催するものもあります。関東の就活生であれば、年3~5回ほど参加できるでしょう。
しかし、95%の整骨院は就職ガイダンスに参加していません。
そもそも自分で治療院を経営している院長さんは、営業時間や患者さんの治療予約を考えると就職ガイダンスに足を運べるわけがありません。また、先ほどお話しした出店料もネックになります。たった1~2人の採用のために高額な出店料を払う余裕がある整骨院はほぼゼロに近いです。
理由3. 並んでいる企業の特徴が超偏っている
3つ目の理由は「並んでいる企業の特徴が超偏っている」ということです。
理由1と理由2が要因となり、結果として就職ガイダンスに集まる企業はとても偏っています。治療院を通常営業しながら就職ガイダンスに出店できる「人材的な余裕」があり、さらに高額な出店料を支払える「資金的な余裕」がある大手のグループ院ばかりが集まっているのです。
では、なぜグループ院は採用にこれだけお金をかけられるのでしょうか?
答えは、稼ぐ仕組みがあるからです。大手のグループ院の中には年間100人近く採用する企業もあります。これは言い換えると「どんな人を入れても売上をあげられる仕組みがある」とも言えるのです。
就職ガイダンスで就職先を決めるということは、治療院の中でもたった5%であるグループ院の中だけを見て就職を決めているようなものなのです。
この業界にはいろんなタイプの整骨院がある
若手治療家の転職支援を行う私の会社「じんじあいであ」では、あらゆる治療院を特徴別に4つのポジションに分けています。
各ポジションの特徴はこちらの記事を見ていただきたいのですが、給料条件や技術力はポジションごとに特徴があります。
就職ガイダンスに並んでいる企業は、ほとんどが右上のグループB(THE グループ院)です。就職ガイダンスで就職先を決めるということは、全体のたった5%でしかないグループBの中で決めているようなものなのです。
大手グループ院はこのようなメリット・デメリットがあります。
ポジションB【THEグループ院】で働くメリット
- 業界売上ランキング上位を占める
- 教育コストが非常に高いので研修が楽しい
- 数値管理ができるようになる
- 事業利益がしっかり出ている
ポジションB【THEグループ院】で働くデメリット
- 事業性を求め、治療をマニュアル化している
- マニュアル化により治療にオリジナリティのない院もある
- トレーナー業務が自腹・休日参加の可能性も
- 質の低いグループ院ほど、保険を使ったマッサージ屋さんの傾向あり
- 運営スタイルの傾向を把握するのが難しい
- 治療家を目指していたのに、気付いたら素晴らしい営業マンになっていることも
グループB(THE グループ院)についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
今のあなたは「就職先を決める」という、治療家人生の中でもとても大切なタイミングにいます。
このタイミングでしっかり視野を広げて、グループB以外のいろんな求人に目を向けてみませんか?
自分に合った就職先を見つけたいなら、なんとなく就活を決めるのは危険です。
一度しっかり自分と向き合って、どんな治療家になりたいのか、どんな治療院で働きたいのかを知って、本気でそれに合う就職先を探してみましょう。
自分はどんなタイプだろう?と気になった方は、無料で受けられる適性検査を受けてみてください!
まとめ
就職ガイダンスは、治療家が就活をする上でとても便利で簡単な方法です。
しかし、実際には95%の治療院が就職ガイダンスに出店していません。
今あなたは「就活」という人生でも重要なタイミングにいます。この学生時代にもっと視野を広げて、ガイダンスに載っていない求人も見てみませんか?
実際に就職ガイダンスでの違和感を大切に就職を成功させた先輩もいます。
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今回の内容はnoteの記事でも書いています!ぜひこちらも読んでみてくださいね!