「整骨院の保険請求が悪質すぎる…」柔整師が知っておくべき現場の実態と対処法
この動画の内容はこちらの動画でも解説しています。
整骨院業界で働き始めてから「自分の職場の保険請求、もしかして不正なのでは?」と不安を感じたことはありませんか?
実はこの悩み、あなただけではありません。
私はこれまで2000人以上の治療家から就職・転職相談を受けてきましたが、これは珍しいケースではなくよくある相談内容です。
そこで今回は治療院業界にある悪質な保険請求の実態と、そのような環境で取るべき対処法や考え方について詳しく解説します。
1986年生まれ。千葉市出身。3児の父。 2018年(株)じんじあいであ設立。 整骨院業界に採用という角度から貢献するため、教育・運営・店舗展開なども他面的にサポート。 人材供給だけでなくフォローアップ、院運営のコンサルティングも行う
なぜ悪質な保険請求が当たり前に存在するのか

保険請求のルールは治療家にとって重要な知識であるにも関わらず、専門学校や大学のカリキュラムでレセプトの細かなルールや実際の運用を詳しく教えることはありません。
そのため、多くの新卒者は「自分の就職先のやり方=当たり前である」と思い込んでしまう傾向があります。
「先輩たちがこうしているから」
「院長がこう言っているから」
そんな理由で当たり前のように業務をしたいたなか、途中で「これってもしかして不正なのでは?」と気づき、悩んでしまうケースが多いのです。
その院で正解とされていることが、必ずしも正しいわけではないのが現実なのです。
悪質な保険請求の代表例「水増し請求」

保険請求において明確に違法とされるのは「水増し請求」で、実際には来院していない日を来院したことにして請求する行為です。
例えば、患者さんが完全に自費診療(保険外)で通院している期間があるとします。
この場合、本来ならその期間の保険請求は行えませんが、この自費診療の期間を事実と違う形に書き換えたり、通院日を分散して見せることで保険請求を継続させるという手口を取ることがあります。
院によって「患者さんは変わらず通い続けているのだから、少し時期をずらして請求しても問題ない」といった理由で正当化されることもありますが、これはルール上は明確に違法なのです。
不正請求に直面したら、どうすべき?

もし自分の職場が不正を行っていると分かった場合、働く自分たちはどう行動すべきでしょうか?
これは、キャリアのフェーズによっても異なると思っています。
20代なら臨床経験と割り切るのもアリ
20代の若手治療家にとって最も大切なのは、「数多くの患者さんを診て臨床経験を積むこと」です。
そのことを考えると「今は技術を学ぶ時期」と割り切って臨床に集中するという選択肢もあります。
不正な請求業務は、時にあなた一人で変えられるものではなく院単位で起きているので、あくまで患者さんの治療という自分の役割に専念するイメージです。ただし、これはあくまで「技術習得のため」という期間限定の割り切りとして考えるべきでしょう。
30代以降ならキャリアチェンジや組織改革も
ある程度の経験を積んだ30代以降であれば、今後のキャリアを考えて「環境を変えていくこと」も選択肢に入ってくるでしょう。
具体的には以下のようなケースがあります。
- 独立や自費診療への移行: 独立開業をして自分で院の運営を行う
- 転職: 自分の価値観と合う、健全な職場へ移る(保険・自費)
- 組織の改善: 不正請求が常識化している会社を変えるために動く
今働いている院や院長、働く仲間、患者さんとの関係性が良く「この院を本気で良くしていきたい」と思うのであれば、組織改革に取り組むという選択もとても意義があるでしょう。
それまでの常識を変えていくのは大変だと思いますが、治療を超えて「院の経営」に関わっていくことになるためあなたのスキルは間違いなく上がります。
どの年代にも共通して必要な「逃げる勇気」
あなたの置かれている状況によっていろいろな選択肢がありますが、自分の良心を削りながら働き続けることは、長期的なキャリアにおいて大きなマイナスになります。
この仕事や業界が嫌になるくらいなら、「逃げる勇気」も必要です。
治療院業界には、あなたの職場以外にもさまざまな職場があります。
「どうしても辞められない」「院長からの引き留めにあっている」という方は、ぜひ私塩田に個人的に相談しに来て下さい。これまで治療家のいろんな退職ケースを見ているので、状況によって対処法を一緒に考えましょう。
まずは保険請求の正しい知識を

会社の中にだけいると、どうしても自社のルールが当たり前だと感じてしまいます。
そんな中でも「自分の職場の保険請求、もしかして不正なのでは?」と気付けたならば、会社に依存せず、外部から中立的な情報を取ることが大切です。
正しい知識を身に付けるためのおすすめの相談先として、以下の方法が挙げられます。
- 日本接骨師会への問い合わせ
日本接骨師会は、レセプトを集めて保険者に届けるなどの業務を行う期間です。
保険請求に関する正しい情報を発信しているため、ここに直接問い合わせることで公的な基準を知ることができます。 - 複数の専門家の意見を聞く
現在はSNS等でも保険請求に関する情報を発信している専門家が多くいます。
1人の意見に固執せず複数のソースから情報を得ることで、多角的な判断が可能になります。 - 組織外の視点を持つ
社内の人に相談すると、多くの場合は会社側の都合の良い論理で「説得」されてしまいます。
あなたが納得して働くためには組織外の人の意見を求める姿勢が欠かせません。
このように、あなた自身も「本当にこれが不正なのか」を判断できるように学んでいく必要があるのです。
あなたが納得して働くために

保険請求のあり方に対する価値観は、時に人によって異なるかもしれません。
しかし、最も大切なのは自分自身が納得して働けているか?ということです。
今の職場のやり方に疑問を感じたなら、あなたの知識や経験が増えて成長し、治療のプロとしての責任感が高まっている証でもあります。
会社からの説明を鵜呑みにするのではなく、自ら動いて学び、外の世界の意見を取り入れることで「何が正解か」を自分で判断できる力を養っていきましょう。

